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【楽天証券】クロス取引(つなぎ売り)のやり方を完全解説|初心者でも失敗しない手順

株主優待クロス取引(つなぎ売り)とは、同じ銘柄を同時に「現物買い+信用売り」することで株価の変動リスクをゼロにしながら、株主優待の権利だけを取得する手法です。

でも「楽天証券でどうやるの?」「注文の順番は?」「失敗しないか不安…」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、楽天証券を使ったクロス取引の具体的なやり方を、手順ごとに画像つきで解説します。貸株料の計算方法や、失敗しないための注意点もまとめているので、初めての方でも安心して取り組めます。


目次

クロス取引(つなぎ売り)とは?仕組みをわかりやすく解説

クロス取引(つなぎ売り)とは、同じ優待銘柄で「現物買い」と「一般信用売り」を同時に発注する取引手法です。

📌 クロス取引の基本の流れ

  1. 権利付最終日までに「現物買い」+「信用売り」を同時注文
  2. 権利付最終日の15:45以降に「現渡し」を注文
  3. 権利落ち日に決済完了 → 株主優待の権利を獲得!

通常、株主優待を得るには現物株を購入するため、株価が下落すると含み損が発生します。しかしクロス取引では「買い」と「売り」が同量なので、どちらかが値上がり・値下がりしても損益は相殺されます。

項目現物株保有クロス取引
(つなぎ売り)
株価変動リスクありなし
(相殺)
優待の取得できるできる
配当の受取できるできない
コストなし
(保有のみ)
貸株料
手数料

つまり、少額のコスト(貸株料+手数料)を払うだけで、株価変動リスクなしに優待だけを手に入れられるのがクロス取引の魅力です。


クロス取引(つなぎ売り)にかかるコスト

クロス取引は株価変動リスクがないとはいえ、タダではありません。 以下のコストの合計が優待の価値を下回れば利益になります。

コスト内容
現物買い手数料楽天証券は無料
信用売り手数料楽天証券は無料
貸株料一般信用(14日):3.90%
一般信用(無期):1.10%
管理費新規建から1ヶ月を経過する毎
※ゼロコースの場合

<貸株料の計算式>

貸株料は以下の計算式に基づき日割り計算されます。ただし、保有日数は受渡日ベースとなります。
(※受渡日ベースの保有日数については、下の方の豆知識の項目で説明しています。)

貸株料 = 約定金額 × 貸株料率 ÷ 365 × 保有日数

楽天証券の一般信用(短期14日)の貸株料率は年3.9%、一般信用(無期限)は年1.1%です。
権利付最終日の直前に注文すれば保有期間は2〜4日程度になるため、貸株料は比較的少額で済みます。

※一般信用(短期14日)で、株価300円の銘柄を1,000株売り建てて3日間保有した場合の貸株料は、次の通り計算できます。

⚠️ 貸株料の計算例
300円 × 1,000株 × 3.9% ÷ 365 × 3日 = 96円


「一般信用」と「制度信用」の違い【重要】

楽天証券の信用売りには「一般信用」と「制度信用」の2種類があります。

制度信用では「逆日歩(ぎゃくひぶ) 」という予測できないコストが発生するリスクがあるので、慣れるまでは「一般信用を使うことが鉄則です。

※本記事では制度信用の詳しい説明はしていません。

項目一般信用売り制度信用売り
逆日歩なしあり
(予測不可)
貸株料
(年率)
無期限
(1.10%)
短期14日
(3.90%)
1.10%
クロス✅ 向いている❌ 向いてない

⚠️ ポイント
制度信用では、空売り需要が増えると機関投資家から株を借りる際に発生するコスト(逆日歩)が、売り手であるあなたに請求されます。逆日歩は数百円〜数万円になることもあり、優待の価値を大きく上回ることがあります。


一般信用(短期14日)と一般信用(無期限)の使い分け

楽天証券の一般信用には、「一般(短期14日)」と「一般(無期限)」の2種類ありますが、銘柄ごとの取扱い状況や在庫の有無は別で、常に両方が使えるとは限りません。

在庫があればどちらでも利用可能ですが、主な使い分けは以下のとおり。

項目一般(短期14日)一般(無期限)
返済期限14日無期限
主な用途短期戦
(権利落ち日の翌営業日の14日前の夜~権利付最終日の大引け)
長期戦
(数週間~数ヶ月前)
貸株料3.9%1.1%
優待クロス適性
長期間保有できないできる
人気銘柄の確保激戦早期なら可能

💡クロス取引について、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

楽天証券でクロス取引を始める前に必要な準備

① 総合口座(現物取引口座)の開設

楽天証券の口座がまだない方は先に開設が必要です。開設は無料、最短翌営業日から使えます。

まだ総合口座を開設していない方は、以下のリンクから口座を開設しましょう。併せて楽天銀行の口座を開設しておくと入出金が即時に反映されて便利です。

 ▶ 楽天証券の口座開設はこちら(無料)
 ▶ 楽天銀行の口座開設はこちら(無料)

② 信用取引口座の開設

現物口座だけでは「信用売り」ができません。信用取引口座を追加で開設する必要があります。

楽天証券の信用取引口座は、楽天証券の総合口座を持っていればオンラインで申し込めます。

信用口座の開設条件の目安:

  • 他社を含め一定の投資経験があること
  • 金融資産が100万円以上あること
  • 年齢が80歳未満であること

⚠️ ポイント
信用口座の審査には通常1〜2営業日かかります。権利付最終日の直前に申し込んでも間に合わないことがあるので、余裕を持って開設しておきましょう。

③ 手数料プランの確認(ゼロコースがおすすめ)

楽天証券の手数料プランには「ゼロコース」と「いちにち定額コース」、「超割コース」、「超割コース(大口優遇)」の4種類があります。

超割コース(大口優遇)は条件が厳しいので、まずは「ゼロコース」から始めることをおすすめします。ゼロコースなら、約定代金に関わらず国内株式の売買手数料が0円となります。

プラン基本手数料クロス取引向き
ゼロコース国内株式売買手数料無料
(現物・信用)
いちにち定額コース100万円まで0円
200万円まで 2,200円
以降100万円ごとに1,100円追加
超割コース現物:55円〜1,070円
信用:99円~385円
超割コース(大口優遇)国内株式売買手数料無料
(現物・信用)

口座開設後は念のため、以下によりゼロコースの適用状況を確認してください。

⚠️ ポイント
PCサイト画面にログイン後、「マイメニュー」>「各商品に関する設定」>「手数料コース」の現在選択のコースに、「ゼロコース」と表示されている場合、ゼロコースが適用されています。


楽天証券でのクロス取引のやり方【4ステップ完全解説】

楽天証券のクロス取引は以下の4ステップで完結します。

  1. 一般信用の売建可能数量を確認する
  2. 信用売りの注文を入れる
  3. 現物買いの注文を入れる(2.と同時)
  4. 現渡し注文で決済する

それぞれ詳しく解説します。

STEP1:一般信用の売建可能数量を確認する

楽天証券では、毎日18時頃から一般信用の売建可能数量が更新されます。

  • 18:00〜18:50頃:売建可能数量更新(徐々に更新されていきます)
  • 18:50〜18:59頃:売建可能数量が変動(19時直前まで1分間隔で変動)
    ※直前に在庫が0になり、せっかくの準備が無駄になることも。
  • 19時00分02秒頃:争奪戦スタート

楽天証券の「売建可能数量」とは、在庫数量のことではなく一人当たりの売建上限数量のことです。そのため、実際の在庫数量が売建可能数量より多い場合もあります。また、争奪戦開始後に在庫が残っているのに発注できないバグ?もあります(時間が経つと在庫が0になります)。

在庫確認の手順:

  1. 楽天証券にログイン
  2. 「①国内株式」- 「②信用取引情報」-「③一般信用売建銘柄」の順にクリック
  3. 弁済期限の「④14日」または「④無期限」にチェック
  4. 並び順を「⑤売建可能数量」で「降順」にしておくと確認しやすいです
  5. 「⑥表示する」を押すと、売建可能数量が表示(更新)されます
  6. 必要により、「⑦CSV出力」することも可能です


STEP2:信用売りの注文を入れる(空売り)

在庫を確認して優待クロスしたい銘柄を見つけたら、まず信用売りから注文していきます(現物買いが先だと在庫がなくなるリスクあり)。

優待クロスをしたい銘柄の「新規」をクリック

注文設定の確認(信用売り)

以下のような注文設定になっていることを確認してから、 取引暗証番号を入力して注文を確定してください。

<注文設定のポイント>

項目設定値
➀売買区分売建(信用売り)
②市場東証または名証(初期値のまま)
③信用区分(期限)一般(14日)または一般(無期限)
④数量優待取得に必要な株数
⑤価格成行で執行する
⑥執行条件寄付または引け(寄付推奨)
⑦口座特定口座
⑧セット注文予約しない

⚠️ なぜ「寄付」で注文するの?
取引時間中(ザラ場)に注文すると、信用売りと現物買いの約定価格がズレて損失が出る可能性があります。また、「引け」で注文した場合はまれに注文が成立しないこともあります。寄付(始値)で両方を約定させることで価格差をなくすのがクロス取引の基本です。






STEP3:現物買いの注文を入れる(信用売りと同日)

信用売り注文を出したら、現物買いも必ず同日・同銘柄・同株数で注文してください。数量がズレると株価変動リスクが発生します。

現物取引(買い注文)の画面を開く

現物取引画面表示の手順:

  1. 「①国内株式」- 「②注文」の順にクリック
  2. 「③銘柄コード」を入力
  3. 「④検索」ボタンを押す。

注文設定の確認(現物買い)

以下のような注文設定になっていることを確認してから、 取引暗証番号を入力して注文を確定してください。

<注文設定のポイント>

項目設定値
➀市場東証または名証(初期値のまま)
②数量信用売りと同じ株数
③価格成行で執行する
④執行条件寄付または引け(信用売と同条件)
⑤口座特定口座
⑥セット注文予約しない

⚠️ ポイント
信用売りと現物買いの「銘柄」、「数量」、「価格」、「執行条件」は必ず一致させてください。 ズレると損失が発生する可能性があります。


STEP4:取引時間後に「現渡し」を実行する

現渡しとは?

現渡しとは、保有している現物株を信用売りの返済に充てる決済方法です。現金のやり取りなしに信用売りポジションを解消できます。

現渡しのタイミング

権利付最終売買日の15時45分以降に「現渡し(げんわたし)」の注文を入れます。

💡 絶対に守るべき2つのルール

  • 権利付最終日の15時45分以前に現渡しをしてはいけない(優待権利が取れなくなります)
  • 権利落ち日の15時45分を過ぎてから現渡しをしてはいけない(貸株料が余分にかかります)

→ 権利付最終日の17:00〜翌朝が最も安全なタイミングです。

⚠️ ポイント
楽天証券では、原則として営業日の7:30~15:45に発注した現渡し・現引き注文は当日分の注文として即時約定するため、注文の取り消しはできません。たとえ権利付最終日の大引け(15:30)以降であっても、15:45までは当日分の注文として処理されるのでくれぐれも注意してください。

現渡し注文の手順

  1. 楽天証券にログイン
  2. 「①国内株式」→「②信用建玉一覧」
  3. 該当銘柄の「③現渡」を選択

注文設定の確認(現渡し)

  1. 「①全現渡」を選択する。
  2. 「②現渡数量」が信用売りの株数と一致していることを確認 。
  3. 「③確認」ボタンを押して、注文を確定してください。

現渡しが完了すると信用売りポジションが消え、現物株もなくなります貸株料だけのコストでクロス取引が完了し、株主優待が数週間〜数ヶ月後に届きます。

⚠️ ポイント
「現渡し」は忘れがちなので注意してください。 権利落ち日以降に信用売りの建玉を保有したままにしていると、貸株料が日々発生し続け、想定外のコスト増加につながります。






失敗しないための注意点

① 配当金は受け取れない(ほぼ相殺される)

一般信用を使った優待クロス取引では、現物株からの配当金と信用売りの「配当落調整金」の支払いがほぼ相殺されます。つまり、配当金は実質的に受け取れません。

ただし、現物株の配当金は約20%が源泉徴収されるので、翌年1月になるまで還付されません

⚠️ ポイント
複数の証券会社を利用している場合、確定申告をしないと税金が還付されないことがあります。ただし、株の譲渡所得や配当所得を確定申告すると翌年の住民税や国民健康保険料、扶養控除などに影響する場合があるので、注意が必要です。

② 保有期間条件のある銘柄に注意

銘柄によっては「○ヶ月以上継続保有」が優待の条件になっているものがあります。権利確定日のクロス取引だけでは継続保有の条件を満たせないため、そのような銘柄では優待を取得できません。事前に確認しましょう。

③ 権利確定日と権利付最終日を混同しない

  • 権利確定日:優待・配当の権利が確定する日(通常は月末)
  • 権利付最終日:この日までに株を購入していれば権利取得できる最終日(権利確定日の2営業日前)

クロス取引の注文は権利付最終日の大引けまでに完了させる必要があります。権利確定日に注文しても遅すぎます。

④ 採算が合う銘柄を選ぶ

手数料・貸株料を差し引いても利益が出る銘柄を選ぶことが重要です。

採算チェックの計算式

実質利益 = 優待価値 - 現物手数料(原則無料) - 信用手数料(原則無料) - 貸株料 - 事務管理費

この値がプラスになる銘柄を選びましょう。

※クロス取引の想定利益を簡単に計算できる「優待クロスシミュレーター(コスト計算機)」は以下のリンクからどうぞ!

まとめ:楽天証券クロス取引の手順と注意点

楽天証券でのクロス取引のやり方をまとめます。

取引タイミングやること
権利付最終日の大引まで①売建可能数量を確認する
②一般信用売り(寄成)注文
③現物買い(寄成)注文
権利付最終日 15:45以降④現渡し注文(全現渡)

クロス取引の鉄則3か条:

  1. 信用売りは必ず一般信用(慣れるまで制度信用はNG)
  2. 信用売りと現物買いは必ず同時に同銘柄・同株数で注文
  3. 現渡しは権利付最終日の15:45以降に入れる

手順さえ覚えてしまえばそれほど難しくはありません。最初は安い銘柄・少ない株数で練習し、慣れてきたら徐々に規模を広げていくのがおすすめです。

楽天証券の一般信用在庫は争奪戦になることも多いので、複数の証券会社に口座を持っておくと取りこぼしを減らせます。ぜひ活用してみてください。





豆知識➀:受渡日ベースの保有日数とは何ですか?

貸株料の元になる保有日数は、新規建の受渡日から返済の受渡日までを両端とも数える考え方です。約定日ではなく受渡日ベースで数え、土日祝日などの非営業日も含めます 。

数え方のポイント

  • 両端入れです。つまり、借り始めた日と返した日をどちらも1日として数えます 。
  • 受渡日は約定日の2営業日後です。そのため、約定日だけを見ると短く感じても、実際の保有日数は土日祝日を含んで増えることがあります 。

具体例

たとえば、以下のイラストのように27日(水曜日)に新規売建して28日(木曜日)に現渡しをして返済した場合、受渡日ベースでは、

  • 新規建の受渡日(2営業日後):29日(金曜日)
  • 現渡しの受渡日(2営業日後):翌月1日(月曜日)

となるため、受渡日ベースの保有日数は土日を含めて4日分として計算されます 。

豆知識②:買付余力(現物買付可能額)とは何ですか?

「預り金は足りているはずなのに現物買いの注文ができない」と困惑したことはありませんか?
これには、成行注文時の買付余力の計算方法が関係しています。

以下に概要を示していますが、成行注文時には実際の約定金額よりも多くの買付余力が必要となるため、注文が約定するまでは実際よりも多くの金額を資金拘束されてしまいます。

<成行注文時の買付余力計算方法>
現物買付注文を成行で発注する場合、その銘柄の「制限値幅」を考慮して算出された金額が預り金として必要になります。

(例)前日終値が100円の株を1,000株成行注文する場合
買付余力から一時的に拘束される金額は、15万円((前日の終値100円+制限値幅50円)×1,000株)となります。その後、10万円(100円×1,000株)で約定した場合、差額の5万円が買付余力に戻されます。

(参考:制限値幅)

豆知識③:1日信用買い→現引きで手数料を節約する方法

楽天証券では「1日信用買い」という信用取引の仕組みがあります。

この方法を使うと、信用買いの約定後に現引きをすることで、現物買いの手数料と金利をゼロにすることができます。

ただし、楽天証券は現物取引手数料が無料なので、通常は「1日信用買い」ではなく現物取引を使った買い注文が基本となります。

ただ、以下のように買付余力(現物買付可能額)が不足していて、「1日信用買い」が約定した日の取引時間中に現引きに必要な資金を確実に用意できる場合に限り利用価値のある取引手法です。

・複数の証券会社を利用していて、資金移動が優待クロス注文の後になる場合
・同時に複数の現物買付注文を成行で発注していて、一時的に買付余力(現物買付可能額)が不足している場合

1日信用買い→現引きの手順:

  1. 信用売りと同時に「1日信用買い」で注文(手数料・金利ゼロ)
  2. 当日中に「現引き(げんびき)」で現物株に変換

注意: 1日信用買いの建玉は当日中に必ず現引きしてください。忘れると翌営業日に強制決済され、追加手数料(2,200円)が発生します。


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